建設技術情報(第15期)TECH15

防災・減災・国土強靱化、インフラ長寿命化技術 / B38-後期 コンクリート中鋼材の腐食防止技術の紹介

塩害劣化を受けるコンクリート構造物の延命化に有効な電気防食技術

インフラ維持管理 コンクリート構造物 鉄筋腐食 延命化 塩害劣化 電気防食 NAKAROD方式

コンクリート構造物の塩害劣化…外部よりコンクリート中に侵入してきた塩化物イオンによって鋼材が腐食し、さびの体積膨張によりかぶりコンクリートが剥落し、構造物の耐力を低下させる現象です。

電気防食…陽極システムからコンクリート中の鋼材に防食電流を供給し、電気エネルギーによって鋼材を腐食から守る工法です。電気防食工法には外部電源方式と流電陽極方式があります。鋼材の表面では酸化反応(鉄の溶解)と並行して還元反応も生じ、腐食が進行します。流電陽極方式では、陽極システム(亜鉛)を設置して鋼材と接続すると、起電力が発生して陽極システムから鋼材に向かって電流が流れます。このとき、陽極システムでは酸化反応(亜鉛が溶解)が進行し、鋼材の表面で生じていた酸化反応が消滅して、還元反応だけが生じて腐食反応を抑制します。これが電気防食の原理です。

NAKAROD方式…商用電源を必要としない流電陽極方式の電気防食工法であり、電力供給が困難な構造物への適応が可能で停電の影響も受けません。線状の陽極を使用しているため、目視によるコンクリート表面の確認が可能となり、維持管理性に優れています。また、陽極システムのユニット化に成功し、従来の工法よりも飛躍的に施工性が向上しました。
NETIS登録番号 KT-180059-A(線状流電陽極方式電気防食工法)

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株式会社ナカボーテック 事業開発部 開発一課  担当 / 山口